ここ数年、琵琶湖畔とくに滋賀県大津市南部はマンションの建設や宅地開発のラッシュが続いています。
とくに大津港周辺のマンションなどは全戸琵琶湖を向いているような物件も多く、眺望は抜群で夏の『びわこ大花火大会』も部屋から観賞できるという特権もあり人気も高いです。
休日には気軽に釣りやボートなどのレジャーを楽しんだりできる自然豊かな環境も魅力的ですよね。
ただ、今回はそんな琵琶湖畔での生活に憧れて住まいを購入したいと考えている人に、ちょっと残念なお知らせがあります。
残念なお知らせというのが「びわこ虫(オオユスリカ)という蚊の仲間の昆虫 が大量発生する」ということです。
オオユスリカは蚊といっても人を刺すタイプではありませんが、とにかく毎年秋から冬にかけて大量に発生するんですよね。
それの何が問題になるのかというと、見た目の気持ち悪さだけでは済まない日常生活への影響があるからです。この事実を知らず憧れだけで琵琶湖畔に住むと「こんなはずじゃなかった!」と、後で大変な目に遭います。
私も以前は琵琶湖から約1kmにあるマンションに住んでいましたが、びわこ虫には随分悩まされました。現在はそこから更に山手に住んでいるのでそのストレスからは解放されていますが。
これから物件を購入しようと考えている人が住んでから後悔しないよう、滋賀県出身者として“びわこ虫”に悩まされた住民として、注意喚起させてもらいたいと思います。
虫が苦手な人はご注意ください。
(参考:滋賀県琵琶湖環境科学研究センター)
物件の売り手は教えてくれない
「毎年びわこ虫大量発生で生活に支障が出るかも」なんて伝えると家の購入を断念される可能性もあるかもしれないですし、そもそも「一時期のことだから」と、教えてくれないのが普通です。
その証拠に、入居して初めて大量のびわこ虫を目の当たりにした購入者からの苦情も後を絶たないそうです。
もし、びわこ虫の事実をしっかり教えてくれる営業マンがいたら、その人はすごく親切で誠実な方ですので信頼して間違いはないでしょう。
害虫じゃなくても気持ち悪い
こちらは琵琶湖周辺にある飲食店の のれんの様子です。画像を拡大するとわかるように、大量のびわこ虫がとまっています。ビジュアル的にもあまり気持ちいいものではありません。いくら直接害はないといっても見るだけで私はゾッとします。虫が大嫌いな人なら発狂するレベルです。それが外壁などにびっしり付いているわけですよ。
当然、洗濯物を外に干せば画像のような状態になるわけですので、大量発生する秋には部屋干しを余儀なくされる人も出てきます。
大量の死骸の掃除
秋から冬にかけてが、びわこ虫であるオオユスリカ(成虫)発生のピークなのですが、彼らの寿命は数日のため大量に発生するということは数日後に大量に死ぬということです。それが何を意味するかというと、大量のユスリカの死骸を定期的に掃除しなければいけないということなんですね。
こちらは琵琶湖から1kmほどの場所に住んでおられるお宅の玄関ポーチの様子ですが、秋から冬の時期は玄関先やベランダなどが毎日この状態です。掃除せず放置しているとあっという間に山のような死骸でいっぱいになりますよ。
年中ずっと大量発生しているわけではないけれど、わかっていてもストレスになるのは間違いありません。
捕食者による二次被害
捕食者というのは他でもない昆虫の天敵「クモ」です。びわこ虫というエサが大量にいるわけですから、それを求めてクモも大量にやってきます。当然そのクモが作る巣の数も大量なので、家の周囲や車や自転車などは常にクモの巣との戦いになります。
また、糞も同じく大量になるので、外壁などの汚れも他の地域の家よりずっと酷くなります。
以前住んでいたマンションが白い外壁でしたが、とくにクモの糞の汚れが目立って悲惨でした。しかも手の届かないところにされると掃除も簡単ではありません。
駆除は住民の自助努力しかない
琵琶湖に限らず、湖などユスリカが大量発生する地域に住む以上は避けて通れない問題ですが、毎日新聞 2017年4月3日の記事にもあるように、害虫扱いではないので苦情を申し立てたところで自治体は取り合ってくれません。
「すぐいなくなるから!12月初め頃までの辛抱だから!我慢してね!」ということらしいです。
そして2017年も2018年も「大量発生」と言われているということは、毎年大量発生しているとうことなんですよね。
このユスリカ大量発生の原因というのは、水質などの環境も影響があるため専門家による調査研究も定期的にされています。こればかりは私たちの力だけではどうにもできませんが、掃除や駆除など日々の生活でできることは自ら解決できるうちは自分たちでなんとかするしかありません。
最初に挙げたような、部屋からの景色や環境といった湖畔に住むことのメリットを優先し掃除などのデメリットを覚悟して共存するか、それが妥協できないなら琵琶湖畔には住まない方がいいと私は思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。