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人生、嫌う納豆もあれば好む納豆もあり

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たくさんのアレンジレシピが世に出回るようになり、食べ方のバリエーションも増えている納豆ですが、好き嫌いが両極端なのもよく知られていますよね。

私も納豆独特の臭いと食感が苦手で、成人するまでなるべく食べないように生きてきたタイプでした。

今は自ら買って食べるほどに変貌を遂げていますが、その変貌についてちょっとした小話があるので紹介したいと思います。

納豆嫌いを決定付けた「ご飯納豆事件」

子供の頃は給食に出てくるとたまにパックごとこっそり持ち帰っていましたが、「苦手だな」程度で存在を警戒するほどではありませんでした。

でも、小学生時代のある日、炊き立てのご飯が納豆菌に襲われるというトラウマ級の事件(事故?)が起こりました

これが原因で、私は「納豆嫌い派」に振り切れてしまったのです。

「はいはい、どうせご飯にうっかり納豆こぼしたとかでしょ?」

みたいな内容を想像されるかもしれませんが、そんな程度のものではありません

その事件の内容がこちら。

炊飯器を開けると炊き立てのはずのご飯からほんのり納豆の臭いがして、納豆のように糸を引いていた」

自分でも何言ってるのかかなり意味不明なんですが、今から状況を説明するので聞いてください。

当時、実家の台所ではガス釜でご飯を炊いていました。

お米大好きっ子なので、ガス釜で炊いたふっくら熱々のご飯は何よりのご馳走であり、炊き上がったつやつやの白いご飯を茶碗によそうのも楽しみの1つだったんですよね。

それがですよ、いつもと同じようにしゃもじですくったら納豆のように糸を引いているとか、誰か想像できます?

「炊き立てのご飯に納豆をかけた」ならまだわかるけど、

「炊き立てのご飯が納豆のようだ」なんて聞いたことがありません。

母の考察では
「納豆を食べたあとの食器を炊飯器の釜と一緒に水に浸けてたからたぶん残ってた菌のしわざ

ということでした。

実際に実験して検証したわけではないのでこれが原因かはわかりませんが、たしかに「納豆菌」は熱に強く、ほとんどの菌が死滅する100℃ですら生存していられるといいます。

 >>「納豆の発酵による機能性」納豆菌 (

全国納豆共同組合連合会より)

炊飯器に残っていただけでご飯をこんな状態にするなんて「納豆菌の生命力は最強か!」と、子供心にとんでもない発見でした。

いやいや、ちゃんと食器洗ってくれ!

母はそんな私からしゃもじを取り上げ「傷んでるわけじゃないでしょ!」と一喝すると、何食わぬ顔で茶碗にご飯を盛り食卓に並べ始めました。

食べるんかい!!!

家族全員が食卓を囲んで糸を引くご飯を食べてる様子とか、どんなホラーですかと。

心の中でそんなツッコミを入れたことが今でも鮮明に記憶に残っています。

「こんなご飯食べれない!お腹壊す!」

と、ショックのあまり騒いでいると「イヤなら食べなくていい!」と当然のように母(と祖母)からテンプレの叱り文句が降ってくるわけですよ。

「納豆に浸食されたご飯だし、もったいないけど気持ち悪いからさすがに捨てるだろう」という私の考えは、「もったいない精神」の前ではただの子供の屁理屈でしかありませんでした。


どうしてもそのご飯に手を付けることができなかった私は、結局その日は米抜きになりました。

同じような「納豆事件」はその後一度も起きていませんが、この事件をきっかけに、私は納豆を常に警戒するようになったのです。

家族にしてみれば大した出来事ではないので誰一人覚えてはいません。

幼かった弟妹含め他の家族はこの納豆ご飯を平然と食べていましたし、祖父に至ってはこの事件にすら気付いてなかったと思います。

でも、私にしてみればトラウマになるほどの大事件であり、しばらくは炊き上がったご飯の匂いや形状を「納豆のようになっていないか」いちいち確認してしまうほどでした。

大人になった今では納豆嫌いもなくなり、炊きたてご飯を警戒するようなこともありませんが、納豆に接触した食器は神経質なほど洗うようにしています。

ショック!だし巻卵を食べようとしたら納豆入りだった・・・

これはスキューバダイビングのインストラクター時代のことです。

午前中の講習がある日は、スタッフが当番で簡単な昼食を作り海に持っていくことがありました。

海で食べるお握りや卵焼きの美味しさというのは、潜ったあとの空腹もあって、それはもう格別です

先輩インストラクターの1人に料理が得意な女性(関東出身)がいて、彼女の当番の時は必ずお出汁たっぷりの「だし巻卵」を作ってくれたのですが、それが仕出し屋さんの料理かと思うほどのクオリティでした。

しかし、ある日のこと先輩のその高クオリティな「だし巻卵」に箸を付けようとしたところ、納豆が入っていることに気が付くんですね。

当然納豆が苦手だった私は 「なんでだし巻卵に納豆入れてくれてんだよ!」と、ショックを受けたのですが、先輩にそんな手前勝手な文句も言えず、とりあえず「見なかった」ことにしてその場はやり過ごすしかありませんでした。それ以来この先輩の昼食当番の時は、しつこいほど卵焼きに警戒するようになってしまったのでした。

韓国の友人が教えてくれた「納豆キムチ」にはまる

15年以上前の話ですが、韓国から日本に留学に来ていた子と友人になり彼女の下宿で鍋をした時に「美味しいから食べてみて」と出されたのが、この納豆と白菜キムチを混ぜた「納豆キムチ」でした。

今はわりとメジャーになったみたいですが、当時はなかなか目にすることもなかったのでかなり面食らい、その時の感想は

「なんで混ぜてるんだよ!ふざけんなよ!そこは別々で食べようよ!!!」

という、怒りと悲しみに満ちたものでした。

キムチは好きだけど、納豆、お前は許さねえ!

と、好きなものと苦手なものが混ざったこの状況は、先述した「だし巻卵」の時と同じような気持ちになるわけですよ。

でも、私もあの頃よりはいくぶんか大人になっていたこともあり、「ここは視野を拡げるチャンスを天から与えられたのだ」と持ち前のチャレンジ精神を発揮し、とりあえず食べてみることにしたんですね。

すると・・・

「これ、美味しいやん!?えっ、いけるんとちゃう!?」

と、新しい発見に感動し箸が止まりませんでした

それからはキムチと納豆は必ずセットで購入するほど、すっかり納豆キムチの虜になり「また食べてる()」と家族に呆れられるほどです。

この「発酵食品 × 発酵食品」の組み合わせ、いろいろメリットもある食べ合わせのようなので、これからも積極的に食べて行こうと思います。

セブンイレブンで出会った「なめこおろし納豆」が忘れられない

商標名を忘れてしまったので「なめこおろし納豆」なんて呼んでいますが、本体である「1パック納豆」に、大根おろし、エノキ茸の佃煮(ぬめっとしたやつ)、ゴマ油という3つのトッピングがセットになった商品です。

タレやカラシといった「基本セット」含め、小さなトッピングの袋を5個ちまちま開けていくのがかなり手間な作業ですが、面倒臭がらずにこれを全て出し終えないことには食べることができません。

まぁ、味はだいたい想像つくとおり、

居酒屋の定番メニュー「なめこおろし」に納豆混ぜた味

でしたね()

でも、ゴマ油の香りと風味が他のトッピングの味を引き立て、なんともいえないクセになりそうな(というか私はクセになりました)納豆のスピードおかずでした。

セブンイレブンでは、普通のパック納豆は売っていますが、この商品は2001年頃に見かけた物のため、すでに廃盤になったのか今は店頭にもネットにも姿を見かけることはありません。

この味がずっと忘れられず、なんとか入手しようと探しましたが、見つけることは叶いませんでした。

というか、

「大根おろしてエノキのビン詰め買ってきてゴマ油と混ぜればいい」

だけなので簡単に再現できますよね。

(もしかしたら、あの面倒なトッピングを開ける作業と再現性の高さのせいであまり売れず廃盤になったとかでは…)

そういうことで今は自分で作って食べていますが、見かけたら絶対買います。
その時はまたブログやSNSで紹介したいと思います。

以上、納豆にまつわる私のどうでもいい思い出話でした。
納豆をトラウマ級に嫌いになることもあれば、新しい食べ方と出会えば好きになることもあるということですね。

ただそれも、チャレンジ精神があったからこそ出会えたものかもしれません。

チャレンジ精神は間違いなく人生を豊かにしてくれるので、これからも大切にしていきたいですね。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

※この記事は、こぼりたつや氏(

運営サイト:

たまホルブログ)によるツイッターの企画に便乗したコラムです。
週替わりテーマでいろんな方の記事が投稿されています

今回の記事のテーマは『納豆』でした。

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